1. 関西の気候と医療施設におけるカビリスク

関西地方は梅雨の長さや台風の接近頻度、真夏の高温多湿といった気象条件が揃っており、カビの発生にとって極めて好条件です。特に医療施設では、カビの存在が患者の健康に直接影響を及ぼすため、気候特性を理解した対策が重要になります。

1-1. 高温多湿な関西の気候がもたらす影響

関西の気候は、1年を通じて湿度が高く、特に6月から9月にかけては梅雨と台風の影響で湿度が80％を超える日も珍しくありません。このような環境下では、わずかな結露や換気不足が引き金となって、建物内部にカビが発生しやすくなります。特に医療施設では、使用する機器から発生する熱や湿気が加わることで、カビの温床となり得るスペースが多く存在します。

1-2. 医療施設特有のカビ発生要因

病院やクリニックでは、多くの人が出入りし、感染管理の観点から換気や清掃は徹底されていると思われがちです。しかし、実際には空調設備の内部や壁の裏側、天井裏など、目に見えない部分でカビが静かに広がっていることがあります。特に、カビは湿度が60％を超えると一気に繁殖が進むため、梅雨時や夏場には目に見えない場所の点検も必要です。

2. カビが引き起こす院内感染と患者への影響

カビは単なる不快な存在ではなく、空気中に胞子を放出し、吸入によって患者に健康被害を与えることがあります。免疫力の低い患者が集まる医療施設では、感染症のリスクが非常に高く、見えないカビこそが最大の脅威となります。

2-1. カビによる呼吸器系疾患のリスク

カビは、空気中に微細な胞子を漂わせます。これを吸い込むことで、気管支炎やアレルギー性鼻炎、さらには肺真菌症といった深刻な呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。特に高齢者や乳幼児、持病のある患者にとっては命に関わることもあるため、徹底した管理が求められます。

2-2. 免疫力低下患者への深刻な影響

がん患者や臓器移植を受けた患者など、免疫抑制治療を受けている人々にとって、カビは非常に危険です。たとえ健康な人には無害なレベルの胞子でも、免疫力が著しく低下している患者には感染源となり、命に関わる感染症を引き起こす可能性があります。したがって、カビは衛生的な問題ではなく、命を守るための医療安全管理の一環として捉えるべきなのです。

3. 空調システムを介したカビの拡散メカニズム

現代の医療施設は高性能な空調設備によって温度・湿度が管理されていますが、この空調がカビの拡散経路になるケースも少なくありません。見えない部分でのカビ繁殖にどう対処するかが重要です。

3-1. 空調内部のカビ繁殖とその原因

空調機器の内部は温度と湿度が一定に保たれ、フィルターに溜まった埃などが養分となって、カビが繁殖しやすい環境になります。特に定期清掃が不十分なダクト内部やフィルター裏などでは、気づかないうちに大量のカビが発生している場合もあります。

3-2. 空調経由でのカビ拡散事例と対策

一部の医療機関では、空調のフィルターに付着したカビが風とともに施設内全体に拡散し、入院患者が感染症を起こした事例も報告されています。このような被害を防ぐには、フィルターの定期交換や、ダクト内部の専門業者による清掃、カビ専用の空気清浄機の導入などが有効です。

4. 建物構造が招くカビの温床とその対処法

医療施設の構造上、目に見えない部分で湿気がこもりやすく、それがカビの温床になるケースが多くあります。建築段階での設計ミスや断熱不良、老朽化もリスクを高めます。

4-1. 壁内・天井裏など見えないカビのリスク

病院やクリニックの壁の中や天井裏は、配管の結露や外気との温度差により湿気がたまりやすく、カビが発生しやすい場所です。一見清潔に見える室内でも、壁の裏側にカビがびっしりと広がっている場合があります。これが空気中に胞子を放出し、院内に拡散される危険性があります。

4-2. 建材選びと断熱材によるカビ対策

建築資材には防カビ処理がされていないものも多く、湿気を吸い込む素材を使用すると、内部からカビが繁殖してしまいます。設計段階から防カビ建材を選び、適切な断熱材を配置することが、構造的なカビリスクを抑える鍵になります。特に古い建物は定期的な点検と改修が不可欠です。

5. 効果的なカビ対策と予防策の実践

一度発生したカビを除去するのは容易ではありません。そのため、定期的な点検とカビが発生しにくい環境を作る「予防」が何より重要です。

5-1. 定期的なカビ検査と早期発見の重要性

カビの胞子は目に見えないため、外観では判断できません。そこで重要なのが、定期的なカビ検査です。空気中のカビ濃度を測定したり、湿度や結露の発生箇所を調査することで、問題が大きくなる前に対策を講じることが可能です。

5-2. MIST工法®による安全なカビ除去

従来のカビ除去はこすったり削ったりする方法が主流でしたが、MIST工法®では専用の薬剤を用いてカビを分解し、素材を傷めずに除去します。人体にも安全な成分で作られており、医療現場でも安心して導入できます。除去後には防カビ処理も施すため、再発防止にも効果的です。

6. スタッフと患者への啓蒙活動と教育の必要性

どんなに設備が整っていても、最終的にカビ対策を実行するのは人です。医療従事者や患者にも正しい知識と行動が求められます。

6-1. カビ対策に関するスタッフ教育の実施

医療スタッフに対して、カビのリスクや感染経路、日常の清掃・管理方法について定期的に教育を行うことは非常に大切です。正しい知識があれば、異常の早期発見にもつながります。研修やマニュアルの整備が対策の第一歩です。

6-2. 患者への情報提供と協力体制の構築

入院患者やその家族にも、清潔な環境づくりへの協力を求めることが必要です。例えば、個室での加湿器の使い方や、窓の開閉に関する注意喚起など、わかりやすい説明を心がけることで、施設全体での対策が強化されます。

7. カビ対策を強化するための最新技術と取り組み

医療現場のカビ対策は年々進化しており、最新のテクノロジーを活用することで、より安全な環境を維持できるようになっています。

7-1. 高性能フィルターの導入と空気質の改善

HEPAフィルターや抗菌フィルターなど、空調システムに取り付けることで空気中のカビ胞子を大幅に除去することができます。さらに、空気清浄機と併用することで、院内の空気環境を常に清潔に保つことが可能です。

7-2. 防カビ建材や塗料の活用による予防策

壁材や床材、塗料に防カビ機能を持たせた製品を使用することで、カビの発生自体を抑えることができます。新築時だけでなく、改修時にも積極的に取り入れるべき技術です。施工後もメンテナンスの手間が軽減され、長期的に衛生状態が保てます。

8. カビ問題に直面した際の具体的な対応手順

カビが発見された場合、迅速かつ的確に対応することが重要です。初動を誤ると被害が拡大する恐れがあります。

8-1. 初期対応と被害拡大防止のポイント

発見時はまず現場の隔離と、他のエリアへの胞子の拡散防止が必要です。次に、湿度や温度の異常を確認し、必要に応じて一時的な冷房停止や換気強化を行います。現場の撮影と記録も重要です。

9. カビ対策を通じて患者とスタッフの健康を守る

カビ対策は単なる清掃の一環ではなく、医療施設の安全管理の重要な柱です。実際の事例から学び、再発防止に役立てましょう。

9-1. 健康被害の事例とその教訓

ある病院では、空調のカビが原因で複数の入院患者が肺真菌症を発症する事態となり、入院患者の転院や手術の延期が相次ぎました。この事例は、見えないリスクを軽視していたことが招いた結果であり、施設管理における教訓となっています。

9-2. 安全な医療環境を維持するための継続的な取り組み

一度の対策で終わるのではなく、定期的なチェック体制を整え、スタッフ全員が衛生管理に意識を持つことが大切です。また、最新の情報を取り入れ、設備や資材も常にアップデートしていく必要があります。

カビ取り・カビ対策はカビバスターズ大阪、カビ取リフォーム東京・名古屋へ

医療施設をはじめとする高い衛生基準が求められる空間では、見えないカビの存在が健康や安全に大きな影響を及ぼします。そんな課題を解決するのが、カビバスターズ大阪、およびカビ取リフォーム東京・名古屋です。

私たちが採用するMIST工法は、建材や内装を傷めることなくカビを根こそぎ分解・除去し、人体にも安全な専用剤で防カビ処理まで実施する独自技術です。特に木材や布、石膏ボードなど、デリケートな素材を使用した施設や、歴史的価値の高い建物にも安心して導入できるのが強みです。また、工業排水試験などの各種試験でも安全性が確認されており、高齢者施設や病院などでも多くの導入実績があります。

さらに、株式会社タイコウ建装は単なるカビ除去業者ではありません。カビ除去と同時にリフォーム工事も一括で行える数少ない専門業者として、建物全体の美観と機能性を高めながら、再発防止まで視野に入れたトータル対応を実現しています。

たとえば、カビが発生しやすい天井裏や壁内部の断熱補強、湿気がこもる浴室や脱衣所の換気機能強化、防カビ建材の導入など、内装・設備工事のプロフェッショナルとしての知見を生かし、根本原因から改善するリフォーム提案が可能です。

関西地域であれば「カビバスターズ大阪」、関東・中部エリアであれば「カビ取リフォーム東京・名古屋」として、地域に根ざした対応を行っております。病院、クリニック、介護施設などの医療・福祉関係のお客様から一般住宅まで、あらゆる現場に対応可能です。お困りの際は、ぜひ株式会社タイコウ建装の専門スタッフまでお気軽にご相談ください。