秋になって涼しくなったのに、なぜか部屋の隅や家具の裏に黒ずみや湿気の跡が見える──実はそれ、夏の湿気が残る住宅で増殖したカビかもしれません。知らないうちにカビが広がり、住まいや健康に影響を及ぼす危険もあるのです。
本記事を読めば、秋だからこそなぜカビが発生しやすいのか、そのメカニズムから、換気・除湿・サーキュレーター活用、家具配置、壁裏点検など、具体的で実践できるカビ対策を理解できます。
家族の健康を守り、住まいの資産価値を長く維持するために、今日から始められるカビ対策の知識を身につけられます。何歳でも安心して暮らせる快適な住環境を自力で整えられるようになります。
1. 秋にカビが増える理由と健康被害の実態
秋はカビにとって非常に好都合な季節です。夏に溜まった湿気が室内に残りやすく、気温が緩やかに下がることで結露が発生しやすくなります。その結果、カビが好む湿度と温度がそろい、室内のさまざまな場所でカビが急激に繁殖するのです。さらに、目に見えないカビの胞子が空気中に舞い、呼吸器に入り込むことで体調不良を引き起こす可能性もあります。特に、子どもや高齢者、アレルギー体質の方には大きなリスクが潜んでいます。
1-1. 秋だからこそカビが繁殖しやすい環境とは
多くの方が、カビといえば「梅雨」を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、秋も非常にカビが繁殖しやすい季節です。その主な理由は、夏の間にたまった湿気が屋内にこもりがちになることにあります。秋は気温が下がり始める一方で、日中と夜間の寒暖差が激しくなり、結露が発生しやすくなります。この結露が、窓枠や壁裏、家具の背面などにたまり、カビの温床となるのです。
さらに、秋は換気の頻度が自然と減ってしまいがちです。暑さが和らぐことで冷房を使わなくなり、ドアや窓を閉め切る時間が増えるため、室内の空気がよどみ、湿気が抜けにくくなります。このような環境では、カビが空気中に胞子を放ち、目に見えない場所でどんどん繁殖していくのです。
特に要注意なのは、北向きの部屋や風通しの悪いクローゼット、浴室の換気が不十分なケースです。こうした場所では、知らぬ間にカビが根を張り、気づいたときには広範囲に及んでいることも少なくありません。
1-2. カビが引き起こす健康被害:アレルギー・呼吸器への影響
カビは見た目の不快感だけでなく、健康被害を引き起こす原因にもなります。カビの胞子は非常に小さく、空気中を漂いながら私たちの体内に侵入していきます。特に、呼吸を通じて肺に吸い込まれたカビの胞子は、さまざまな健康障害を引き起こす恐れがあります。
代表的な症状としては、くしゃみや鼻水、喉の痛み、咳などが挙げられます。これらは一見すると風邪のような症状ですが、実際にはカビによるアレルギー反応である可能性があります。アレルギー性鼻炎や気管支喘息など、慢性的な呼吸器疾患の原因となることもあり、小さなお子さまや高齢者にとっては命に関わることさえあります。
また、カビは皮膚疾患や目のかゆみなどの原因にもなりえます。特に湿度の高い寝室や浴室では、長時間カビに晒されることで、肌がかゆくなったり、目が充血したりといった症状が現れることがあります。これらの症状は原因に気づきにくいため、長期間放置されるケースも多く、健康被害が深刻化する恐れがあります。
さらに、カビの中には「マイコトキシン」という有害な物質を出す種類も存在します。これは発がん性を持つことが指摘されており、カビの被害を軽く見ることはできません。家族全員の健康を守るためにも、秋のカビ対策は今すぐ始める必要があるのです。
2. 換気による秋のカビ対策:具体的な方法とポイント
室内の空気を循環させ、湿気を外に逃がすことはカビ予防において最も基本的で重要な対策のひとつです。特に秋は、気温の低下により窓を開ける機会が減りがちで、知らず知らずのうちに湿気が室内にこもりやすくなります。だからこそ、意識的に換気を行うことが重要です。ただし、単に窓を開けるだけでは十分な効果は得られません。効果的な換気方法を理解し、実践することがポイントです。
2-1. 効果的な換気の時間・頻度・窓の開け方
換気を行う際の理想的な時間帯は、外気の湿度が比較的低い午前10時〜午後3時の間です。特に午前中は、日差しによって屋内の空気が温まり、空気が自然に動きやすくなります。このタイミングで窓を開けておくことで、効率的に湿気を排出することが可能になります。
換気の頻度は、1日2回以上を目安にしましょう。朝起きた後と夕方の時間帯に数分間、すべての部屋の窓を対角線上に開けることで、空気の流れが生まれ、効果的な通気が行えます。単に一つの窓だけを開けても空気は滞留しがちですので、2箇所以上の窓を同時に開けて風の通り道を作ることが大切です。
また、気をつけたいのは、雨の日や湿度の高い日は換気を控えるという誤解です。外気の湿度が高くても、室内の湿気と入れ替えることでカビの発生リスクは軽減されます。ただし、換気時間を短めにする、除湿器を併用するなどの工夫は必要です。
2-2. 換気しても風が通らない部屋への工夫
住宅の間取りによっては、窓が1箇所しかない、または風が通りにくい構造になっている部屋も存在します。そうした部屋では、自然な風通しが難しいため、意識的な工夫が求められます。
まず有効なのが、換気扇の併用です。浴室やトイレなどの換気扇は常時運転に設定しておくことで、空気の流れをつくり出し、湿気を効率よく外へ逃がすことができます。さらに、室内にサーキュレーターや扇風機を設置し、空気を一方向に流すことで、風の通り道を疑似的に作ることも有効です。
家具の配置にも注意が必要です。特に、クローゼットの奥や家具の裏などに空気が滞留しやすい場合、これがカビの温床になります。少し家具を前に出して壁との間に隙間を作るだけでも、空気の循環が改善されます。
また、換気の補助として「換気口」を活用するのも一つの方法です。換気口のフィルターが目詰まりしていると、空気の流れが悪くなり、湿気がこもる原因となります。定期的に掃除をし、清潔な状態を保つよう心がけましょう。
3. 除湿で湿度コントロール:秋のカビ対策の基礎
秋は湿度が比較的安定しているように感じられるかもしれませんが、実際には日中と夜間の気温差が大きく、結露が発生しやすくなっています。この結露がカビの発生源となるため、除湿による湿度管理は非常に重要です。室内の湿度を適切に保つことで、カビが繁殖しにくい環境を作ることができます。特に寝室やクローゼット、浴室まわりなど湿気がこもりやすい場所には、重点的な対策が求められます。
3-1. 湿度をチェックすべき数値と機器の選び方
まずカビの繁殖を防ぐためには、湿度を「60%以下」に保つことが基本です。カビは湿度が65%を超えると急激に活動を活発化させるため、50〜60%の間に湿度を維持することでカビの発生を抑えることができます。
そのために必要なのが湿度計です。最近では湿度と温度を同時に表示できるデジタル式の湿度計が安価で手に入るようになっており、各部屋に設置しておくことで、目に見えない湿度の状態を「見える化」できます。特に湿気がこもりやすいクローゼットの中や、寝室の窓際などに設置すると効果的です。
除湿機を選ぶ際には、「除湿能力」と「タンク容量」に注目しましょう。日中に長時間運転する場合は、2L以上のタンク容量を持つ機種がおすすめです。また、部屋の広さに見合った除湿能力を持つ機器を選ぶことで、無駄なく湿度コントロールが可能になります。
コンプレッサー式とデシカント式という2つの方式があり、秋から冬にかけては気温が低下するため、ヒーター内蔵のデシカント式除湿機の方が効果を発揮しやすいです。
3-2. 除湿機・除湿剤を使った実践的な手順
除湿機の使用にあたっては、単にスイッチを入れて動かすだけではなく、設置場所やタイミングが大切です。最も湿気がたまりやすい場所は、部屋の四隅や家具の裏、洗濯物を干した直後の室内です。こうした場所に除湿機を向けて運転することで、効率的に湿気を吸収することができます。
特に効果的なのが、換気と除湿を併用することです。窓を少し開けながら除湿機を運転させることで、外の湿気を取り込みすぎることなく、室内の湿度だけを効率的に下げることができます。また、クローゼットの中にミニ除湿機や使い捨ての除湿剤を設置することで、密閉された空間の湿気対策にもなります。
除湿剤を選ぶ際には、シリカゲルタイプや塩化カルシウムタイプなどがありますが、置き型タイプや吊り下げ型タイプを場所に応じて使い分けるとよいでしょう。使い捨てタイプは吸湿量が一定に達すると効果が落ちるため、定期的に交換が必要です。逆に電気式の再利用可能なタイプはコストパフォーマンスに優れ、長期的に使用したい方にはおすすめです。
寝室では、布団の下に除湿マットを敷いたり、布団乾燥機を定期的に使うことで、布団内の湿気対策にもつながります。これにより、寝ている間に発生する汗による湿気を取り除き、カビの発生を予防することができます。
4. サーキュレーター活用術:空気の流れをつくってカビを抑える
湿気は空気が滞留している場所にたまりやすく、カビの発生源になります。そこで重要になるのが、空気の流れをつくる「サーキュレーター」の活用です。サーキュレーターは扇風機とは異なり、空気を直線的に遠くまで送り出すことができるため、部屋全体の空気を循環させるのに適しています。特に、窓を開けても風が通らない構造の部屋や、湿気がこもりやすい場所に有効です。
4-1. サーキュレーターの設置位置と動かし方のコツ
サーキュレーターを使う際に最も重要なのは、その設置場所と風の向け方です。空気を効率よく循環させるためには、部屋の角や壁に沿って風を送るのが基本です。例えば、対角線の隅にサーキュレーターを設置し、天井に向けて斜め上方向に風を送ることで、空気が壁を伝って部屋全体を循環するようになります。
また、窓を開けた状態でサーキュレーターを窓の方向に向けて運転すると、室内の湿った空気を効率よく外に排出することができます。逆に、外気を取り込みたい場合は、サーキュレーターを窓に背を向けて配置し、外の空気を部屋の奥まで送り込むようにすることで、換気と除湿を同時に実現できます。
天井付近にたまりがちな暖かい空気を循環させることも、結露の発生を抑える効果があります。特に秋の夜間には冷たい外気との温度差で窓に結露が生じやすいため、空気を循環させて温度差を減らすことが重要です。
4-2. 換気・除湿と併用した効果的なサーキュレーター運用法
サーキュレーターは単独でも効果がありますが、換気や除湿と併用することでその効果を最大限に引き出すことができます。たとえば、除湿機と併用する場合、除湿機の空気取り込み口に向けてサーキュレーターの風を送ることで、室内全体の湿った空気を効率よく除去できます。
また、浴室やキッチンなどの水回りにサーキュレーターを設置し、換気扇の方向に風を送ることで、湿気を一気に排出させることが可能になります。特に入浴後や調理後の湿度が高くなったタイミングでは、この方法が非常に有効です。
クローゼットや押入れの湿気対策にも、サーキュレーターは役立ちます。小型のサーキュレーターをクローゼット前に設置し、扉を開けた状態で風を送り込むことで、内部の空気が動き湿気がこもりにくくなります。これにより、衣類や寝具にカビが発生するリスクを大幅に下げることができます。
このように、サーキュレーターは換気・除湿の補助的な役割としてだけでなく、空気の流れを作る主役としても機能します。上手に活用することで、秋のカビ対策に大きな効果をもたらしてくれます。
5. 家具配置を見直して“壁裏・家具裏”のカビ発生を防ぐ
家具と壁の間にできる空間は、カビの温床になりやすい場所のひとつです。特に、北側の壁や外気に面している壁は、秋から冬にかけて室内との温度差が生じやすく、結露が発生しやすくなります。その結露が家具の背面や壁との隙間に湿気としてたまり、カビが繁殖する原因となります。カビの発生を防ぐには、家具の配置を見直し、空気の流れをつくることが非常に重要です。
5-1. 壁と家具・家電の間に適切な空間を設ける理由
家具を壁にぴったりとくっつけて配置すると、空気の流れが遮断され、湿気がたまりやすくなります。特に木製の家具は湿気を吸収しやすいため、カビが生えやすく、壁紙にもその影響が及ぶことがあります。実際に家具を動かしたときに、裏側に黒ずみがあったり、カビ臭がするような場合、それはすでにカビが繁殖している証拠です。
家具や家電を配置する際は、壁から最低でも5〜10cmほどの隙間を空けるようにしましょう。この空間があるだけで、空気が循環しやすくなり、湿気の滞留を防ぐことができます。また、空気清浄機や除湿機を設置している家庭では、この隙間に空気が通ることで効果が格段に向上します。
特に注意したいのが、タンスや冷蔵庫、洗濯機などの大型家具・家電です。これらは移動が難しいため、設置時から余裕を持たせておくことが重要です。壁との間にスリット状の換気スペースを設けるなど、初めからカビ対策を意識した配置が求められます。
5-2. 家具配置を変える際のチェックポイント・NGパターン
家具配置を見直す際は、単に隙間を空けるだけではなく、湿気がたまりやすい場所を避けることも大切です。たとえば、窓のすぐ下や北側の壁、結露が発生しやすいコンクリート壁の近くなどは、なるべく家具を密着させないようにしましょう。
また、クローゼットや押入れの中も油断できないカビスポットです。布団や衣類をぎゅうぎゅうに詰め込むと、空気が流れず湿気がこもってしまいます。収納は8割程度に抑え、隙間をつくることで湿気対策になります。定期的に扉を開けて換気を行うことも忘れてはいけません。
NGパターンとしては、家具の裏に除湿剤を置いているだけで安心してしまうケースです。確かに除湿剤も一定の効果はありますが、空気の流れがなければ湿気は滞留したままになります。除湿剤はあくまで補助的な役割と考え、家具の配置や空気循環と組み合わせることで、初めて効果を発揮します。
また、壁紙の内側までカビが進行している場合には、表面を拭くだけでは解決できません。そのようなときは、専門業者への相談を検討しましょう。早期発見・早期対処がカビ対策の鉄則です。
6. 壁裏・見えない部分の点検で早期発見:秋のカビを見逃さない
カビは目に見える場所だけでなく、壁の裏や床下、天井裏などの見えない部分でも静かに繁殖しています。特に秋から冬にかけては、結露が壁の内側で発生し、断熱材や柱などが湿気を含んでしまうことがあります。このような場所のカビは気づきにくく、放置されると家の構造自体を傷めることにもつながります。
6-1. 壁裏・断熱材・サッシまわりの結露をチェックする方法
壁裏のカビは、表面に異常が現れなくても進行していることがあります。以下のようなサインが見られる場合は、内部でカビが発生している可能性が高いです。
・壁紙が浮いている、または剥がれている
・特定の場所に黒ずみや変色がある
・部屋の一部からカビ臭がする
・サッシまわりに常に結露がついている
これらの症状が見られる場合、壁の内側で結露が起きていることが考えられます。特に、外気との温度差が激しい場所や、断熱材が不十分な場所は要注意です。赤外線サーモグラフィーや湿度計測機器を使えば、壁内の温度や湿度の状態を可視化することも可能ですが、一般家庭では難しいこともあります。
6-2. 専門業者に依頼すべきサインとセルフ点検の限界
カビが壁内や床下に広がっている疑いがある場合は、早めに専門業者に相談するのが賢明です。見た目には問題がなくても、壁裏で腐敗や腐食が進んでいることがあり、放置するとリフォームが必要になるほどの損傷を招くこともあります。
自分でできる点検としては、カビ臭のする場所に耳を近づけて匂いを確認したり、湿気の多い部分を手で触って冷たさや湿り気を感じ取る方法があります。しかし、これらはあくまで簡易的なチェックであり、カビの進行度を正確に把握することは困難です。
また、壁裏のカビは、断熱材や構造材にまで影響を及ぼすと、建物の寿命にも関わってきます。特に木造住宅では、柱が腐食し耐久性が落ちるリスクもあります。こうした深刻な被害を避けるためにも、異変に気づいた時点でプロに点検を依頼することが最善の選択肢です。
7. 健康被害を防ぐための生活習慣と日常ケア
カビを予防するためには、日常生活の中でのちょっとした習慣の積み重ねが非常に効果的です。カビは湿気と栄養分(ホコリや皮脂など)がそろうとすぐに繁殖するため、生活習慣の中で湿気をためこまない、ホコリを残さないという意識を持つことが重要です。特に家族にアレルギー体質の方や小さなお子さまがいる家庭では、カビ対策は健康を守る意味でも欠かせません。
7-1. 室内環境を整えるための習慣(掃除・洗濯・換気)
毎日の掃除は、カビの栄養源となるホコリやゴミを取り除くためにとても重要です。特に床の隅やカーテンの裏、家具の裏側などは掃除機やハンディモップでこまめに掃除するようにしましょう。週に1回程度は、窓枠やサッシなどの湿気がたまりやすい場所も拭き掃除するのが理想です。
洗濯物の室内干しは、できれば避けたいところですが、どうしても必要な場合は除湿機を使ったり、サーキュレーターを併用して湿気がこもらないようにする工夫をしましょう。また、乾いた後の洗濯物をすぐに片付けずに放置しておくと、そこに湿気が残りカビの温床になることもあるため注意が必要です。
日々の換気は、前述のとおり1日2回以上を目安に行いましょう。特に料理後や入浴後などは湿気が多くなっているため、こまめな換気が求められます。
7-2. 小さいお子さま・高齢者のいる家庭で気をつけたいポイント
免疫力がまだ未熟な小さなお子さまや、体力の落ちた高齢者は、カビによる健康被害を受けやすい存在です。カビの胞子を吸い込むことで、喘息や気管支炎、アレルギー性鼻炎などを引き起こすリスクが高くなります。
そのため、特に寝室やリビングといった長時間過ごす場所の湿度管理と清掃は徹底するようにしましょう。空気清浄機の導入や、布製品のこまめな洗濯・乾燥も有効です。また、ベビーベッドの下やソファの裏などの見えない場所も、定期的にチェックしてカビの有無を確認することが大切です。
8. カビ対策の失敗パターンとその対処法
どれだけ気をつけていても、間違った対策や知識不足が原因でカビの発生を許してしまうことはあります。実際、多くの家庭で見られるのが「やっているつもりのカビ対策」が逆効果になっているケースです。ここでは、ありがちな失敗例と、それをどのように改善すればよいかを詳しく解説します。失敗を未然に防ぐためにも、正しい知識を持ってカビ対策に取り組むことが重要です。
8-1. 見落としがちな「湿度が低いのにカビが出る」原因
「湿度計で50%を保っているのにカビが生えてしまった」という相談は少なくありません。このようなケースでは、部屋全体の湿度は低くても、局所的に湿気がこもっている可能性があります。たとえば、家具の裏側やクローゼットの奥、床下や天井裏などは空気の流れが悪く、湿気が溜まりやすい場所です。湿度計の数値はあくまで設置場所周辺の値であり、全体の湿度を正確に示しているとは限らないのです。
また、見逃しがちなのが結露による水分です。特に窓際や外壁に接した場所では、温度差による結露が発生し、それが壁紙の内側や窓枠、窓台などにカビの原因となる水分を供給しています。見た目では乾燥していても、実際には壁の裏側が湿っているということも珍しくありません。
このような状況を防ぐためには、湿度計を複数箇所に設置して部屋ごとの状態をチェックしたり、定期的に家具を動かして裏側の状態を確認することが有効です。また、結露対策として窓に断熱フィルムを貼る、窓枠をこまめに拭くなど、物理的な湿気の発生を抑える行動も重要になります。
8-2. 市販スプレーだけでは足りないケースと対応策
市販のカビ取りスプレーは手軽に使える便利なアイテムですが、過信してはいけません。特に根が深く入り込んだカビや、壁紙の裏、木材の中にまで入り込んでしまったカビには、スプレーでは表面的な除去しかできません。結果として、数日後には再び黒ずみが浮かび上がってくるということも少なくありません。
また、市販のカビ取り剤には強い塩素系成分が含まれていることが多く、素材によっては色落ちや劣化を招く可能性もあります。特に木材や布製品、繊細な素材には使用が難しく、使用方法にも注意が必要です。
そのため、広範囲にカビが発生していたり、過去にも再発を繰り返している場合には、プロによる除去を検討すべきです。専門業者であれば、カビの種類や素材の状態に応じて適切な専用剤を使い、素材を傷めずに根本からカビを取り除くことが可能です。また、再発防止のための防カビ処理もあわせて行うことで、持続的な効果が期待できます。
市販スプレーの使用は、あくまで軽度のカビや日常の予防目的として活用し、根が深いカビや繰り返すカビには専門家の力を借りるという意識が大切です。
9. 秋から冬にかけての継続的なカビ予防スケジュール
カビ対策は一時的なものでなく、季節の移り変わりに合わせて継続的に行うことが重要です。特に秋から冬にかけては、湿気が減ったと油断しがちですが、結露や暖房による湿気の滞留が起きやすい時期でもあります。定期的な点検とメンテナンスを習慣化することで、カビの発生を未然に防ぐことができます。
9-1. 季節の変わり目にすべきチェックリスト
季節ごとのカビ対策チェックリストを作っておくと、忘れがちな部分もしっかりと対応できます。秋のチェックポイントとしては以下の通りです。
・夏の湿気が残っていないか、壁や家具の裏を確認
・換気扇や空気清浄機のフィルターの掃除
・湿度計や除湿機が正常に動作しているかの確認
・窓枠やサッシ周りの結露チェックと拭き取り
・クローゼットや押入れの湿気確認と除湿剤の交換
これらを秋の初めと中頃に分けて実施することで、秋を通して安定した湿度管理が可能になります。また、冬に向けては加湿器の使用による湿度の上昇にも注意し、過加湿を避ける意識も重要です。
9-2. 冬場に向けて湿気・換気・暖房のバランスを整える
冬になると暖房を使うことで室内の空気が乾燥しがちになりますが、同時に窓と外気の温度差で結露が生じやすくなります。この結露が原因でカビが再び発生するため、暖房・換気・除湿のバランスをうまく取ることが求められます。
暖房を使う際には、必ず換気もセットで行うようにしましょう。こもった空気は湿気だけでなく、カビの胞子やハウスダストも蓄積させてしまいます。また、石油ストーブやガスファンヒーターは水蒸気を多く出すため、これらを使う場合は特に湿度管理が重要になります。
加湿器を使用する際は、湿度が60%を超えないように湿度計で常に管理を行いましょう。加湿器による過加湿は、寝室や子ども部屋などにカビを発生させる要因となります。除湿機やサーキュレーターと組み合わせて、部屋の空気を適切に循環させることが大切です。
10. 専門業者に頼むべき状況とその選び方
自力でできるカビ対策にも限界があります。カビの発生範囲が広い、再発を繰り返している、健康被害が出ているなどの場合には、早めに専門業者に相談することが必要です。しかし、業者選びを誤ると、十分な対策がされずに再発してしまうケースもあるため、信頼できるプロの見極め方が重要です。
10-1. 自力対策では限界がある時の見極め基準
以下のような状況に当てはまる場合、自力でのカビ除去には限界があります。
・天井や壁全体に広がるカビ
・繰り返し同じ場所に発生するカビ
・壁紙を剥がすと裏側まで真っ黒になっている
・カビによる健康被害(咳、くしゃみ、アレルギー症状)が継続している
・カビ臭が家全体に充満している
これらのサインが見られた場合、すぐに専門業者に相談することで、被害の拡大を食い止めることができます。特に健康への影響が出ている場合には、スピードが求められます。
10-2. 業者選択時のポイント(技法・保証・素材への配慮)
信頼できるカビ取り業者を選ぶ際には、以下のポイントを重視しましょう。
・使用する薬剤や工法が人体・環境に安全であること
・素材を傷めず、根本からカビを除去する技術があること
・再発防止のための防カビ処理をセットで行っていること
・施工前後に詳細な点検や報告があること
・保証期間があり、再発時の対応が明確であること
とくに近年注目されているのが、素材に優しい独自技術を用いた「MIST工法®」のような、建材や家具を傷つけず、根本からカビを除去できる工法です。カビ除去後に防カビ処理まで行うことで、長期間にわたって再発を防げるのも大きなメリットです。
業者選びで迷った場合は、施工事例や口コミをチェックし、複数社から見積もりを取ることも重要です。費用だけでなく、提案内容やアフターサービスの質も比較して判断しましょう。
カビ取り・カビ対策は「カビバスターズ大阪」「カビ取リフォーム名古屋・東京」へ
カビの発生に悩まされているご家庭や施設では、「どこに相談すればよいか分からない」「市販のカビ取り剤では解決しない」といった声が多く寄せられています。そうした皆様の不安を根本から解消できるのが、株式会社タイコウ建装が提供するカビ取り・リフォーム専門ブランド 「カビバスターズ大阪」 および **「カビ取リフォーム名古屋・東京」**です。
当社は、独自開発の MIST工法® によって、建材や素材を傷つけることなく、目に見えるカビだけでなく素材の奥深くに潜んだカビの根まで徹底的に分解・除去します。この技術は、洗浄やこすり洗いでは難しかった「カビの根絶」に特化しており、他社にはない高い効果と安全性を両立しています。
素材を傷めず、環境にも優しいMIST工法®
MIST工法®は、素材ごとに最適化されたpHと濃度の専用剤を使用しており、デリケートな木材や石材、ビニールクロス、繊維素材まで幅広く対応可能です。こすらない・削らない処理により、文化財や古民家のような価値ある建築物にも使用されている安心・信頼の技術です。人体にも安全な専用除カビ剤を使用しており、乳幼児や高齢者がいる家庭や医療・介護施設でも安心してご依頼いただけます。
除菌・防カビ処理までワンストップで対応
MIST工法®は、除去だけで終わりません。除菌処理によって空気中のカビ菌までしっかりと抑制し、さらに防カビ処理によって再発を防ぐ長期的な効果を実現しています。即効性・持続性・高い安全性の3つを兼ね備えた防カビ処理は、住まいを安心して長く使うための心強い味方です。
カビ除去とリフォームを一括で依頼できる強み
さらに、株式会社タイコウ建装は住宅リフォーム事業も展開しており、「カビ除去+リフォーム」を一括でご依頼いただけます。たとえば、カビが発生した浴室やキッチンの壁面、床材、天井などの建材が劣化していた場合でも、リフォームをセットで行うことで見た目も美しく、清潔で機能的な空間に生まれ変わらせることが可能です。
「カビは取れたけれど、壁がボロボロのまま…」「古くなった部材ごと交換してリフレッシュしたい」といったご要望にも対応できるのが、当社ならではの最大の強みです。カビの再発リスクが高い箇所には、カビの原因を取り除くリフォームを行うことで、抜本的な改善を目指します。
ご相談・お見積りはお気軽に
「秋のカビ被害が気になる」「家族の健康が心配」「長年カビに悩まされている」など、どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。
カビ除去からリフォームまで、一括対応できる体制を整えて、皆さまの大切なお住まいを守ります。
健康で快適な暮らしを実現するために、ぜひプロの手による確実なカビ対策をご体感ください。